- 2008年5月19日 01:11
- 雑感
しばらく足が遠のいていたのですが、今日は近くの図書館に行って、面白そうな本を10冊程度見繕って借りてきました。杉並区の図書館は、予算がないのか、新しい本の入荷が極めて少ないです。昔赤羽に住んでいた時の、北区の図書館とは雲泥の差です。
それはさておき、10冊借りてきても斜め読みなので二時間程度で読んでしまうのですが、その中の一冊に「ヤバい経済学」という本がありました。シカゴ大学の経済学者と、ジャーナリストの共著の本です。「相撲の力士は八百長なんてしない?」という宣伝文句に引かれて借りたのですが、職業柄笑ってしまったのは、「税金の穴をうめる」という一節でした。
・・・1980年代の初め、ワシントンで働くIRSの研究員でジョン・スィーラジーという人が、いろんな調査をたくさん見てきて、所得控除を受けるために申告する扶養家族について間違っている人がよくいるのに気づいた。純粋に間違っただけのもの(離婚した夫婦がダブって子供を扶養家族に申告している)もあったし、笑ってしまうぐらいインチキ(スィーラジーの記憶だと、少なくとも一件、フラッフィという名前の扶養家族が申告されていた例があった。どう見てもこれは子供じゃなくてペットでしょ)なのもあった。
スィーラジーは、このむちゃくちゃな現状を何とかしようと思ったら、一番簡単なのは申告するときに子供の社会保険番号を書かせることだと考えた。・・・省略・・・1986年の課税年度から施行されることになった。スィーラジーによると、申告が行われる4月になって、彼も彼のボスもショックを受けた。突然、課税台帳から700万人の扶養家族が消えていなくなった。ほんとにいたけどペットだったのが何匹で、いもしない子供が何人だったのかはわからないけど。スィーラジーのうまい小技のおかげで、一年で30億ドル近い税収があげられたのだ。
(「ヤバい経済学(増補改訂版)スティーヴン・D・レヴィット スティーヴン・J・ダブナー 望月衛 訳 東洋経済新報社 2007年 319-320頁)
IRS(米国内国歳入庁)は、日本では国税庁に該当します。それにしても700万人というのはすごい数です。
近いところでは、従業員の配偶者がパートで働いているのに、そのまま年末調整をして、後に会社が税務署から扶養是正を求められたという話は時々あります。
あるいは、年末調整の際、外国人の従業員が、本国の親や妻子を扶養していると扶養控除等申告書に記入している場合があります。実際に本国に仕送りをしていて、家族と生計を一にしているなら、当然外国人でも、扶養控除や配偶者控除などの控除を受けることができます。ただ疑うわけではないですが、確認は困難です。
そのほか、障害者控除あたりはどうでしょう? 聴覚障害者手帳の不正取得疑惑なんてのも問題になりましたが・・・。
http://mainichi.jp/hokkaido/wide/news/20080406ddlk01040164000c.html
また、国民年金を支払っていないのに、支払ったとして社会保険料控除の適用を受けていて問題になったこともありました。そのため、現在は、証明書の添付が必要になっています。改正前後の社会保険料控除の金額のデータは国税庁で、把握しているのでしょうか? 分析すると相当面白い結果がでるような気がします。さすがに700万人とはいかないでしょうが・・・。
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